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声を「宛先」に届ける。HSA v0.11 が仕込んだ、部屋が遊び場になる日への第一歩

音声操作AIエージェント HSA v0.11 をお届けします。スマートホーム環境 hsBox を手がける hoscm の新バージョンです。

一見すると、これは「音声アプリのアップデート」です。しかし開発チームに話を聞くと、見え方が変わりました。この地味な一手は、もっと大きな構想への第一歩でした。すなわち 「部屋そのものが遊び場になる」freeBoxゲームプラットフォーム化 です。

そこで今回は、2つのチームに取材しました。HSA開発プロジェクトと、それとは別に動く freeBoxゲームプラットフォーム化プロジェクトです。両者が目指す先と、交わる一点を追います。

この構想の背景は、先の記事〈freeBox ゲームプラットフォーム化を取材〉でもお伝えしました。本記事は、そこに HSA v0.11 という具体的な一歩が加わった続編です。


HSA v0.11 で何が変わったのか

まず、HSA v0.11 という「モノ」を押さえます。構想の話は、そのあとにしましょう。開発チームは、重要な順に3つを挙げてくれました。

変更1:接続テンプレート化と3種同梱

これまでは、送信先のURLを1本ずつ手で打ち込む必要がありました。しかし HSA v0.11 では、その手間が消えます。あらかじめ形を定義した「テンプレート」の空欄を埋めるだけで、接続先を作れるからです。

さらに v0.11 では、代表的な3種類の基本テンプレートが初期状態で同梱されています。そのため、インストール直後から接続設定を始められます。もちろん、追加テンプレートも QRコードやURLから読み込めます。なお hsBox でも IFTTT でも、対応テンプレートがあれば同じ手順です。

変更2:接続先の複数登録

従来は、送信先がひとつだけでした。しかし v0.11 では、複数の接続先を登録できます。そして発話の先頭につけた短い「呼び名」で送り分けられます。たとえば「エアコン ○○」「テレビ ○○」のように、機能ごとに宛先を切り替えられるのです。

変更3:作り直しに強い内部構造

送信内容は、保存時に「スナップショット」として確定します。そのため、元のテンプレートを消しても、既存の接続はそのまま動きます。これは表から見えない変更です。しかし開発チームは、この先の拡張すべての前提になる土台の入れ替えだと位置づけています。

つまり HSA v0.11 は、派手な機能追加ではありません。むしろ「この先いろいろ載せられる土台を整える一歩」です。声を届ける仕組み自体は、最初からありました。そして v0.11 は、その届け先を増やし、設定のハードルを下げる段階なのです。


HSA v0.11 がなぜ「ゲーム」への布石になるのか

3つの変更のうち、開発チームが布石として挙げたのは、複数登録です。そして、その背後にある「モード」という2階層のデータ構造でした。

v0.11 の時点では、利用者が使うモードはひとつだけです。しかし内部には、もう一段の仕組みが用意されています。「通常モード」「ゲーム集中モード」のように、用途ごとに接続先セットを丸ごと切り替える器です。なお、切り替えUI自体は次バージョン v0.12 での実装を予定しています。

では、なぜこれが布石なのでしょうか。開発チームの説明が鮮やかでした。

普段は「エアコンつけて」と家電を操作している同じ音声ボタン。それがゲームを始めた瞬間、「A」「せーの」「もう一回」といった合図の入り口に変わる。アプリを持ち替える必要も、設定を作り直す必要もない。ひとつのモードを切り替えるだけで、日常操作とゲーム操作が同居する

その受け皿が、v0.11 で仕込まれた2階層構造です。

音声とゲームが交わる点

では、音声エージェントとゲームは、どこで交わるのでしょうか。HSA は「声を、決まった宛先にテキストとして届ける」ことに徹した軽いクライアントです。だからこそ、届いたテキストをどう解釈するかは、受け取る側が自由に決められます。その交差点として構想されているのが、freeBox 側に置く「HSAヘルパープラグイン(仮称)」です。つまり、HSA から届いた声を、ゲームのイベントとして受け取りさばく役割を担います。ただし、これは v0.12 以降に向けた構想であり、いま動くものはありません。


HSA v0.11 開発チームが目指す世界

ここから、構想の話です。開発チームが最終的に実現したい世界を、一文で聞きました。

専門知識がなくても、声ひとつで、家じゅうの機器や仕組みを自分の思いどおりに動かせる世界。

むずかしい設定を覚える必要はありません。高齢の方や不慣れな方でも、安心して使えます。開発チームがいちばん大事にしているのは、この点です。

だからこそ、「今」土台を作る理由も一貫しています。テンプレートと複数接続という「拡張の器」は、この先の展開すべての前提になります。つまり hsBox 側の強化も、ゲーム化も、この器の上に乗ります。器を作らないまま個別機能を足すと、後で必ず作り直しになります。そのため、機能を増やす前に、今この土台を固めているのです。なお hsBox 本体の最新版については〈hsBox1.4 正式リリースのお知らせ〉もあわせてご覧ください。


もうひとつのチーム:freeBoxゲームプラットフォーム化プロジェクト

ここで、もう一方の当事者に登場してもらいます。freeBoxゲームプラットフォーム化プロジェクトです。

まず、立ち位置を正確に押さえます。土台となる freeBox は、hsBox 上でプラグインを管理・実行する仕組みです。そして、これは freeBox OSSプロジェクトチームの成果物です。なお hoscm は、これを全面的に支援する立場にあります。詳しくは〈freeBox 1.0.0 リリース〉をご覧ください。

では、ゲームプラットフォーム化プロジェクトとは何でしょうか。これは freeBox OSS の土台に乗る取り組みです。「ゲームという用途を、誰でも同じ作法で作れるようにする層」を重ねます。OSS本体を作り替えるものではありません。むしろ、その土台を”遊び”に向けて開き、サードパーティが参加しやすい独立した入口を用意します。

では、なぜ層を分けるのでしょうか。freeBox 本体は、用途を限定しない汎用の箱です。そこにゲーム向けの規約を直接混ぜると、本体が特定用途に引っ張られます。しかし標準化を切り離した層として持てば、話は変わります。本体の中立性を保ったまま、参入したい人が「ゲームだけを見て乗る」ことができます。つまり、本体を汚さずに、参加者向けの入口を独立させられるのです。

目指すのは「部屋そのものが遊び場になる」世界

このプロジェクトが実現したい世界も、一文で聞きました。

部屋そのものが遊び場になる。音声など多様な入力と、家じゅうのデバイス出力を組み合わせた体験。それを誰もが同じ作法でプラグインとして作り、持ち寄れる世界です。

既存のゲーム機やゲーム配信基盤は、基本的に「画面の中」で完結します。しかし、この構想は本質的に違います。入力と出力が、部屋のデバイスに開いているからです。音声で答え、テレビや各種スマートデバイスで映像・音・光が返ります。つまり、マルチ入力 × マルチ出力の体験です。

そしてOSSならではの価値は、決めごとが少なく、公開されていることです。ゲームの中身は Python で完全に自由です。標準化するのは、入出力の「形」と最小限のルールだけです。つまり「これさえ守れば、あとは自由」という、ごく薄い共通ルールです。だから、公開されたルールとお手本コードを真似れば、誰でも作れます。


2つのチームは、互いに何を期待しているのか

取材で印象的だったことがあります。2つのプロジェクトが、互いに期待を投げ合っていることでした。ここが、今回いちばんお伝えしたい構図です。

ただし、大切な前提があります。以下はいずれも「確定した仕様」ではありません。あくまで現段階での相互の期待・方向感です。両チームとも、そこは強調していました。

HSA から freeBox への期待

HSA が提供できるのは「声による、宛先の分かれた入力」です。呼び名で入力を仕分け、残りのテキストを特定の宛先へ届けます。そのため、ゲーム側から見れば強力です。テンプレートを用意するだけで、どんなコマンド体系にもつながる音声コントローラになります。

さらに、受け側の freeBox は、複数端末からの入力を同時に受け付けます。そして、どの端末から来たかも見分けられます。これを使えば、面白い遊びが成立します。みんなが一斉に声を上げ、いちばん早かった人を判定する ── 早押しクイズのような「早答え」の勝負です。ただし、これはこれから作る構想であり、実働デモはありません。むしろ、一緒に作る仲間を募集している対象です。

そして重要な点があります。HSA開発チームは、ゲーム化を「唯一の行き先」だとは考えていません。声で家じゅうを動かす同じ仕組みは、ほかの用途の基盤にもなり得るからです。たとえば日常生活の支援(ADL支援)や、スマートホームのさらなる強化です。つまりゲームは、そのなかでもとりわけ人の目に触れやすい「入口のひとつ」なのです。

HSA v0.11 と freeBox の分岐図(ゲーム化/ADL支援/スマートホーム)
HSA v0.11 と freeBox の関係図。ゲーム化は唯一の行き先ではない

freeBox から HSA v0.11 への期待

その前提として、大事な事実があります。freeBox は「誰でも入力用のアプリを作ってつなげられる、オープンなAPI」です。声でも、ボタンでも、センサーでもかまいません。決められた形式さえ守れば、どんな入力アプリでも接続できます。そのため、ゲーム化プロジェクトは、この開かれた入口を前提に構想を組み立てています。

実証第一号としての HSA v0.11

その上で、ゲーム化プロジェクトは HSA を特別な存在と見ています。すなわち、そのオープンなAPIに最初につながった「実証第一号の入力アプリ」です。音声を文字列化して freeBox に渡す ── その一本が現実に通れば、経路が実物として動きます。つまり「入力アプリ → freeBox → ゲーム」という流れが、机上の設計でないと証明されます。だから HSA は、あとに続く入力アプリにとって、最初の生きた実例になります。

その上で、ゲーム体験の側から「HSAがこう育つと面白い」という方向感も挙がりました。繰り返しますが、これは要求仕様ではなく期待です。

  • 言葉を素直に渡してくれる方向。ゲーム側は文字列を自由に解釈します。だから、意味を決めつけず、話者の言葉をそのまま渡してもらえると、作り手の自由度が上がります。
  • 端末やプレイを識別できる方向。端末やセッションが区別できれば、複数人プレイや途中参加のような体験を設計しやすくなります。
  • 入力アプリの「標準形」になる方向。HSA が良い手本になれば、後続の入力アプリも同じ作法で作れます。つまり便利アプリであると同時に、「入力アプリはこう作る」というお手本にも育ってほしい、というわけです。
HSA v0.11 とゲーム化PJの相互期待の図(現段階の期待・方向感)
HSA v0.11 とゲーム化PJが投げ合う相互期待の図

面白いのは、この2つの矢印です。互いのプロジェクトへのインプットそのものになっているからです。つまり、片方の期待が、もう片方の設計のヒントになります。そんな循環が、開かれたエコシステムの内側で起きはじめています。


【動画】声で、部屋が動く ── イメージ

HSAv0.11
HSAv0.11

この短い映像は、目指している体験の”イメージ”です。実際のゲーム画面の録画ではありません。これから一緒に作っていく世界の方向を表しています。


HSA v0.11 を試す・一緒に作る

最後に、この記事を読んで「面白そう」と感じた方への入口をまとめます。

HSA v0.11 を実際に触ってみたい方へ

この記事が世に出るタイミングは、ちょうど HSA v0.11 のリリースにあたります。

  • 入手方法:現在 HSA は、Google Play の クローズドテスト参加リンクから入手できます。しかも無償で参加できます。
  • 動作環境:Android 8.0 以降のスマートフォンまたはタブレットです。音声入力とインターネット接続に対応した端末が必要です。
  • すぐ始められる:インストール直後から、同梱の3種類の基本テンプレートで接続設定を始められます。追加テンプレートは QRコードまたはURLで読み込めます。

なお、いまクローズドテストという形をとっているのは、機能面の制約ではありません。一般公開への切り替え条件(テスター数)に、まだ達していないためです。裏を返せば、あなたの参加が公開を前進させます。ぜひ、最初のテスターの一人になってください。

「一緒に作る側」に興味がある方へ

freeBoxゲームプラットフォーム化は、これから仲間を募る段階です。両チームとも、次のような参加を歓迎しています。

  • ゲーム制作参加:公開された最小限のルールに沿ったゲームプラグインを、一緒に作ってくれる方。
  • デモ出演・協力:告知動画やデモの出演・検証に関わってくれる方。
  • 名称・テーマ提案:プラットフォームやサンプルの名前・題材のアイデア。

参加・相談の窓口

参加・相談の窓口は、hoscm コラボフォームに集約しています。メッセージ欄に用件のキーワードを書き添えてください。たとえば「ゲーム制作参加希望」「デモ出演希望」「名称・テーマ提案」です。詳しい制度は〈hoscm コラボレーションプログラム〉をご覧ください。

(※お手本コードや共通ルールの仕様は、現在整理中です。公開が確定したら、あらためてご案内します。まずはコラボフォームからお声がけください。)


音声アプリの、地味に見えるアップデート。しかし、その内側には確かな一歩が仕込まれていました。「部屋そのものが遊び場になる」という構想への第一歩です。

この一歩から先を、一緒に作っていく仲間を、私たちは探しています。


本記事は、HSA開発プロジェクトおよび freeBoxゲームプラットフォーム化プロジェクトへの取材(2026年7月)に基づいて構成しました。構想・将来像に関する記述は取材時点のものであり、確定した仕様ではありません。freeBox は freeBox OSSプロジェクトチームによるオープンソースの成果であり、hoscm はこれを支援する立場にあります。


関連記事

HSA(hoscm Support Agent)v0.11 操作マニュアル

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freeBox ゲームプラットフォーム化を取材——音声×スマートデバイスで“部屋がゲーム”になる

「声をかけると、部屋がゲームになる」——。hoscm が全面支援する OSS プロジェクト freeBox で、新たに「freeBox ゲームプラットフォーム化」プロジェクトが動き始めました。音声入力(hoscm Support Agent=HSA)と、テレビやスピーカーなど複数のスマートデバイスを組み合わせ、“部屋まるごと”を遊び場にする構想です。

開発主体は freeBox プロジェクトチーム。hoscm はこれを全面的に支援する立場として、プロジェクトのご担当に取材しました。構想を伝える「構想ムービー」も公開されたので、あわせて紹介します(早期段階のため、デモのプレイ提供は順次)。

freeBox ゲームプラットフォーム化 構想ムービー(※本動画はイメージです)

お話を伺ったのは、freeBox ゲームプラットフォーム化プロジェクト 担当(兼 デモゲーム制作)の方です。

きっかけ——「いい土台があるのに、もったいない」

freeBox は hsBox を拡張する“箱”で、プラグインを入れて機能を足していけます。一方の hsBox は、音声を文字列で受け取り(HSA 経由)、動画・ライブ・静止画・音声を任意のスマートデバイスで再生できる——という「マルチ入力 × マルチ出力」の土台をもともと備えていました。

これだけ良い土台があるのに、その上で“体験・ゲーム”をつくるための共通の作法が無かったんです。各自が毎回ゼロから組むしかなくて、第三者も参加しづらい。新しい体感系の体験をつくる最高のキャンバスなのに、もったいない——そこが出発点でした。

何ができるのか——遊び方は自由に設計できる

このプラットフォームは特定の1ゲームではなく、遊び方を自由に設計できる“共通の土台”です。示されている遊び方の例には、次のようなものがあります。

  • 複数プレイヤーを HSA アカウントで識別
  • 音声での早押し(お手付き判定なども自在に設計)
  • 正確さを競うスピード勝負から、じっくり謎解きまで
  • 「これは何?」「この動物は?」といったクイズ

共通の作法さえ守れば、こうした多彩な遊び方を同じ仕組みの上で作れます。

freeBox「ゲームプラットフォーム化」とは——“薄い”標準仕様でつくれるように

ねらいは、重い専用エンジンを配ることではありません。開発の作法を「freeBox ゲームプラットフォーム標準仕様」として定めること。しかも、あえて薄い仕様です。ゲームは freeBox の Plugin として作れ、入出力の“形”だけを定めた薄い標準仕様に沿えば、誰でも同じ作法でゲームを追加できます。中身(言葉の解釈や進行、実装)は自由につくれます。

開発者から見れば、ゲームはいつもの freeBox プラグインとして作れて、Manager UI から1クリックで配れる状態になります。標準仕様・プラグイン開発ガイド・参照実装(デモ)は、freeBox リポジトリで順次公開されていきます。AI アシスタントでひな形を起こす進め方もおすすめとのことです。

デモ「Insite 謎解きデモ(仮称)」——声で遊ぶ、複数デバイス連動

構想を“見て触れる形”で示すためのリファレンスとして、謎解きデモ「Insite 謎解きデモ(仮称)」が制作されています。5ステップ(5シーン)程度。最初に流れる動画で遊び方を説明し、謎を解いて声で答える。手がかりやフィードバックが1台の画面に閉じず、部屋の TV やスピーカーなど複数のデバイスに分かれて出てくるため、声をかけると“部屋そのものが応答する”ような体感が出ます。

具体的なシーンの中身(題材や正解)は現在作り込み中のため、今回は伏せています。デモのプレイ提供は順次となります。完成後は、hsBox ユーザーが Manager UI から手軽に導入できる予定です。

hsBox との関係

freeBox を動かす Loader 自体が hsBox の Module として配られ、hsBox 上では自動で組み込まれ、すぐ動きます。そのため「声で入れて、複数デバイスにメディアで返す」というゲームの土台が、現状そのままそろっているのは hsBox です。すでに手元にある音声入力(HSA)と複数デバイス再生を、そのまま“ゲーム・体験”に使える——これが hsBox ユーザーにとっての利点です。

仕様はあえて薄く、特定の通信方式に依存しない作り(デバイス再生は“アダプタ”として分離)にしてあるため、ほかのプラットフォームへ移植する余地は残されています。ただし、今すぐ他の環境で動くわけではなく、現在は hsBox 上で動作します。hsBox 以外での利用を検討したい場合は、後述の開発コラボフォームよりご相談ください。

ライセンス

本体(freeBox/プラットフォーム)のライセンスは GPL v3 を想定しています。これを使って第三者が制作するゲームのライセンスや配布条件については、個別にご相談ください。価格は縛りません——無償で公開しても、対価を得る形にしても構いません。

いっしょにつくりませんか——3つの参加の入口

プロジェクトはまだ初期段階。だからこそ、いろいろな関わり方を歓迎します。いずれも hoscm コラボフォームhttps://hoscm.com/hsbox/hoscm-collabo/)から、メッセージ欄に下記のキーワードをご記入のうえご応募ください。

  • ゲーム制作に参加する → メッセージ欄に「ゲーム制作参加希望
    freeBox 上でゲームをつくってみたい開発者・クリエイターの方を支援します。標準仕様の文書とデモ(参照実装)をテンプレートとして公開予定。アイデア段階からご相談いただけます。
  • デモに出演・協力する → メッセージ欄に「デモ出演希望
    映像(解説パートや各シーンの手がかり等)に出演・協力してくださる方を募集します。基本は松山近辺での撮影にご参加いただける方を想定していますが、遠方の方はご自身で撮影した映像のご提供でも歓迎。演技経験は不問、声の出演のみも歓迎です。
  • デモの名称・テーマを提案する → メッセージ欄に「名称・テーマ提案
    開発中の謎解きデモ(仮称「Insite 謎解きデモ」)の名称・テーマを募集します。採用された方にはクレジット等で謝意をお伝えします。ひとことのアイデアから歓迎です。

※ 製品購入に関するお問い合わせは、コラボフォームではなく support 窓口へお願いします。

リンクと今後

プレイ可能なデモ、参照実装、標準仕様の全文は、準備が整い次第、順次公開していきます。

これは画面の中だけでなく、“部屋まるごと”を使う、新しい体感系の体験のキャンバスです。作法はわざと最小にしてあるので、ぜひ気軽に飛び込んでほしい。

“部屋がゲームになる”その手応えを、いっしょにつくっていきましょう。

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hsBox1.4 正式リリースのお知らせ

hoscmは、スマートホームプラットフォーム「hsBox」の最新版「hsBox1.4」を、2026年6月10日に正式リリースいたします。本バージョンはシステムテスト(ST)の合格判定を経た正式版であり、所定の品質基準を満たしたうえで提供するものです。

リリース概要

本リリースは、ベースイメージとライセンスパッチの構成で提供いたします。

主な変更点

hsBox1.3からの機能強化・変更点の詳細につきましては、hsBox1.4 アップデート内容(freeBox 対応について)をご参照ください。

また、先行提供していたベータ版(Build #350)からは、主に次の点を改善しております。

  • セキュリティの強化
  • Ubuntu 26 対応の過程で検出した問題への対処

なお、ベータ版の提供開始時のご案内はfreeBox 1.0.5 公開/hsBox1.4 ベータ版(Build #350)提供開始のお知らせをご参照ください。

freeBox への正式対応

hsBox1.4 では、freeBox OSSプロジェクトチームが開発・公開するオープンソース基盤「freeBox」への正式対応を行いました。対応の詳細は前掲の解説ページに、freeBox 自体の概要・経緯はfreeBox 1.0.0 リリースのお知らせにてご確認いただけます。あわせて、freeBox の最新ソースおよびリリースはGitHub リポジトリにて公開されています。

入手方法

hsBox1.4 のイメージは、hoscmサポートサイト(hss)よりダウンロードいただけます。ダウンロードおよびサポートに関する有償サービスの内容は、従来どおりです。

コラボレーションプログラムについて

hsBox1.4 は、コラボレーションプログラムの対象といたします。あわせて、hsBox1.4 の正式リリースをもって、cp2026キャンペーン 第二弾の開始を正式に宣言いたします。プログラムの趣旨・参加方法、ならびに cp2026 キャンペーンの詳細につきましては、「hoscm コラボレーションプログラム」公開のお知らせおよびcp2026 キャンペーンについてをご参照ください。


補足情報:

エラーコード;以下のエラーコードはhoscmサポートサイト(hss)に詳細情報を記載しています。hssにログインしてご確認ください。

HSSG1203R : ID,パスワードが違う
HSSG1203A : ライセンスキーが違う
HSSG1204K: ライセンスキーが違う

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【リリース】freeBox 1.0.5 公開 / hsBox1.4 ベータ版(Build #350)提供開始のお知らせ

freeBox OSSプロジェクトチームは、2026年5月22日、スマートホーム向けオープン基盤「freeBox」の最新版となる freeBox Loader v1.0.5 を公開しました。本バージョン(freeBox 1.0.5)は、サードパーティ Plugin 開発者向けドキュメントの整備と、hsBox1.4 への対応を主たる内容とするものです。

hoscm は freeBox OSSプロジェクトチームを支援する立場にあり、また hsBox を所管しております。本 freeBox 1.0.5 の公開に合わせ、hoscm より、hsBox1.4 が現在システムテスト工程に入っていることをご報告するとともに、hsBox1.4 ベータ版(Build #350) の提供を開始いたします。

freeBox 1.0.5 の主な内容

freeBox 1.0.5 における主な更新は、次の2点です。

第一に、サードパーティ Plugin 開発者向けドキュメントの整備です。開発に着手される方の足場を整えるべく、関連ドキュメントの改訂を行いました。改訂の詳細および「hoscm コラボレーションプログラム」の制度内容については、別途公開済みの下記お知らせにて案内しております。

第二に、hsBox1.4 への対応です。hsBox1.4 を見据えた対応を進めております。対応方針につきましても、下記お知らせにて公開済みです。

▶ 「hoscm コラボレーションプログラム」公開のお知らせ —— freeBox サードパーティ開発をオープンに

freeBox と hsBox の関係について

freeBox 1.0.5 は、hsBox1.4 または hsBox1.3.1.1 に組み込んでご利用いただける構成です。正式名称で整理いたしますと、freeBox 1.0.5 の基盤となるのは hsBox1.3.1.1 または hsBox1.4 です。

なお、過去には hsBox にライセンスを組み込まない状態でのご利用を「freeBox」と愛称的に呼称していたケースがございました。本リリースにあたっては、呼称の混同を避けるため、正式名称に基づき記載しております。

hsBox1.4 のシステムテスト着手について

hoscm が所管する hsBox1.4 は現在、システムテストの工程に入っております。これは、個々の機能の実装段階を終え、システム全体としての動作および整合性を検証するフェーズへ移行したことを示すものです。本件は、hsBox1.4 の開発が滞りなく進行していることをお伝えするための、現時点での進捗報告として位置づけております。

なお、本システムテストは hsBox1.4 を対象とするものです。hsBox 上での freeBox の動作確認につきましては、すでにおおむね完了しております。

hsBox1.4 の正式リリース時期は未定です。システムテストにおける課題が解消され、所定のテストに合格した段階をもって公開いたします。リリース時期が確定しましたら、改めてアナウンスいたします。

hsBox1.4 ベータ版(Build #350)の提供について

hoscm は、本 freeBox 1.0.5 の公開に合わせ、hsBox1.4 ベータ版(Build #350)の提供を開始いたします。提供形態は、hoscm が運営するサポートサイト「hss」からのダウンロード、および USB イメージを予定しております。入手をご希望の方は、hss のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

ベータ版の参加条件・人数・費用・ライセンスにつきましては、すべて先行キャンペーンのページに明記しております。本ベータ版(Build #350)も当該キャンペーンの対象とし、キャンペーン参加者には無期限ライセンスを提供いたします。正式には hsBox1.4 のリリース時に改めてご案内いたしますが、先行してベータ版も対象とするものです。詳細は下記をご確認ください。

▶ 2026年 先行キャンペーン開始 ~hsBox お試し活用 ライセンス無料提供キャンペーンのお知らせ~

関連リンク

ご質問・ご相談、ならびにベータ版の入手のご依頼は、hoscm が運営するサポートサイト「hss」のお問い合わせフォームよりお寄せください。引き続き、freeBox および hsBox の各プロダクトをよろしくお願いいたします。

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「hoscm コラボレーションプログラム」公開のお知らせ —— freeBox サードパーティ開発をオープンに

本日、hoscm はサードパーティとの協業形態を体系化した制度文書「hoscm コラボレーションプログラム Rev.1.0」を公開しました。初版(Rev.1.0)の対象は freeBox です。あわせて、freeBox Loader v1.0.2 として、サードパーティ Plugin 開発者向けドキュメント5本の大規模改訂もリリース済みです。

本記事では、コラボレーションプログラムの主要なポイントをご紹介します。詳細は記事末尾よりプログラム仕様書(PDF)をご参照ください。


公開の背景

freeBox はオープン仕様を基本とする freeBox Loader を中核とし、サードパーティによる Plugin 開発・連携機能の実装を歓迎してきました。一方で、これまでは協業形態や参加条件を制度として明文化しておらず、参加意思のある開発者・事業者に対して、参加方法や役割分担、知的財産の取扱いなどを十分に提示できていませんでした。

近年、海外を中心に hoscm への提携・売り込みの問い合わせが増加していること、また freeBox エコシステムの拡大を健全に進めていく必要があることから、参加者にとって透明かつ予見可能な参加条件を提供する制度として、本プログラムを整備しました。

本プログラムは初版において freeBox を対象としますが、将来的には hoscm が扱う他の製品およびサービスへも順次拡張する予定です。


プログラムの概要

5つのコラボレーションパターン

freeBox に関するコラボレーションは、hoscm の関与度に応じて次の5つのパターンに分類されます。

区分内容hoscm の関与費用
提供元単独実装公開仕様に基づき、参加者が単独で実装なし無料
技術情報提供個別の技術情報を提供し、参加者が実装情報提供有償サポート
技術支援設計・実装支援を提供し、参加者が実装設計・実装支援有償技術支援
共同開発双方向の機能強化を伴う開発双方向個別見積
受託開発個別仕様の hoscm による実装hoscm が実装業務委託

参加者は自社の体制や目的に応じて、いずれのパターンも選択できます。「受託開発」は厳密にはコラボレーションではなく業務委託に該当しますが、参加者からの問い合わせ範囲の明確化を目的として明示しています。

collaboration_matrix_diagram
collaboration_matrix_diagram

プラグイン公開ステータスは独立した軸

実装結果として公開されるプラグインの公開ステータス(public/restricted/private)は、いずれのコラボパターンであっても適用される独立した軸として扱います。これは freeBox Loader が現に認識する状態と一致します。

  • public:動作確認済みプラグイン(公開済み)
  • restricted:限定公開
  • private:非公開・ローカル

将来的には、hoscm 公式提供を示す official ステータスや、提供を終了した archived ステータスの追加も検討しています。


主要な方針

オープン仕様と GPLv3

freeBox プロジェクトで提供されるコードは、原則として GNU General Public License v3.0(GPLv3)の下で提供されます。参加者が公開するプラグインについても、原則として GPLv3 の採用を推奨します。

NDA は原則不要

freeBox はオープン仕様を基本としているため、原則として NDA(秘密保持契約)の締結は不要です。ただし、hsBox の内部情報や非公開仕様が含まれる場合、未公開の脆弱性情報を共有する場合などは、必要に応じて NDA を締結します。

参加費は無料

本プログラムへの参加自体は無料です。Web フォームによる申請、公開仕様の利用、GitHub リポジトリの参照、公式ドキュメントの利用、プラグインの公開申請までを無料の範囲とします。技術相談・実装支援・受託開発などの個別支援は、内容に応じた個別見積で対応します。

利用者ファースト・運用コスト最小化

審査プロセスは「利用者ファースト」と「運用コストの最小化」を両立する方針で設計しています。プラグインの公開ステータスに応じて必要な審査範囲を変え、private 利用は審査不要、restricted は書類審査+セルフテストログ提出、public はサンドボックス評価+実機検証+複数ユーザーによる評価結果に基づく総合判断とします。

ブランド・ロゴの利用についても、本ガイドラインに従う場合に限り事前申請なく使用できる「事後是正型」とすることで、参加者および hoscm 双方の運用負荷を軽減します。


あわせて:freeBox Loader v1.0.2 のドキュメント改訂

本プログラムの公開と並行して、サードパーティ Plugin 開発者の足場を整えるべく、freeBox Loader v1.0.2 でドキュメント5本(ビルドツールガイド/モジュール開発ガイド/Plugin 開発ガイド/保守ガイド/run.sh ガイド)の大規模改訂をリリース済みです。

主な改訂ポイントは以下の通りです。

  • 予約コンテキスト(/loader/api/status/manager など)の明文化
  • run.sh の役割・必須性をモジュール毎に整理
  • ビルドコマンド・API 仕様の精度向上
  • ドキュメント間の参照リンク整備
  • 開発内部用語の除去(公開ドキュメント化)

v1.0.2 はドキュメント更新のみのリリースで、実装に変更はありません。v1.0.1 と完全に後方互換のため、既存ユーザーは入れ替え不要です。これから freeBox Plugin の開発を検討される方には、最新ドキュメントが格段に読みやすくなっています。


参加方法と関連リンク

本プログラムへの参加申請は、既設の Web フォームよりお受けします。

技術的な詳細をご確認いただくには、以下をご参照ください。

ご質問・ご相談は hoscm 公式 Web サイトのお問い合わせフォームよりお寄せください。


今後について

本プログラムは初版(Rev.1.0)として freeBox を対象に開始しますが、市場動向および参加者からの要望に基づき、対象範囲・優先順位を順次見直していきます。本プログラムを通じて、freeBox エコシステムを参加者の皆様とともに育てていけることを楽しみにしています。

引き続き、freeBox および hoscm の各プロダクトをよろしくお願いいたします。


コラボプログラムPDFダウンロード

hoscm コラボレーションプログラム.pdf


freeBox / hsBox に関するお問い合わせ・ご意見は お問い合わせページ からお寄せください。

関連記事:

freeBox Loader 開発の舞台裏(4/22)
freeBox Loader で、スマートホーム連携はここが変わる(4/15)

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スマートホームを、自由に。freeBox 1.0.0 リリース——ローカルファースト×プラグイン拡張のオープン基盤、始動。

スマートホームは進化している。でも、「自分が作ったデバイスを繋ぎたい」「このカメラに独自の処理を入れたい」「既存のシステムと連携するプラグインを作りたい」——そう思ったとき、既存のプラットフォームはどれも壁になる。

それらの仕様は非公開。APIは制限付き。クラウド経由でないと動かない。

freeBoxは、その壁をなくすために作りました。

プラグインを作れば、それがそのままスマートホームの新しい機能になる。あなたのアイデアが、基盤そのものを育てていく——そういう仕組みです。


freeBoxとは何か

freeBoxは、それ自体がオープンな、スマートホーム向けプラグイン基盤です。

特定メーカーのエコシステムに依存せず、クラウドに縛られず、仕様を公開した状態で誰でも実装・参加・拡張できる。各機能はローカル環境での動作を基本としており、用途に応じてクラウド連携も活用できる設計です。プラグインを追加するだけで機能を自由にデザインできます。

今回、そのコアとなる仕組みをfreeBox 1.0.0としてオープンソース公開しました。

👉 GitHub: https://github.com/hoscm/freebox


3つの設計コンセプト

① ローカルファースト——各機能はローカルで動く

freeBoxの各機能はローカル環境での動作を基本に設計されています。ローカルに閉じた運用も可能であり、必要に応じてクラウド連携も選択できます。クラウドへの依存を強制しない設計が、安定性とプライバシー保護の両方を支えています。

② オープン——仕様を公開、誰でも参加できる

仕様を公開し、実装を誰でも確認・改変・貢献できます。「使う側」だけでなく、「作る側」にも完全に開かれた基盤です。atomcam2対応モジュールをサンプルとして収録しており、すぐに動く実装例として参照できます。

③ プラグインエコシステム——1つの実装が、全体を豊かにする

freeBoxのLoaderは、プラグイン方式で機能を拡張する仕組みです。あなたが作ったプラグイン1つが、世界中のfreeBoxユーザーが使える機能になる。対応デバイスが増えるほど、エコシステム全体が育っていく——そういう構造を意図して設計しています。


AI×ハイスキルアーキテクトによる協働開発

freeBox 1.0.0の全実装は、Claude AI(Sonnet 4.6およびOpus 4.7)が担っています。設計・コーディング・ドキュメント整備にいたるまで、AIが実装の主体です。

そこに、10年以上にわたり大規模システム開発にテックリードマネージャーとして携わってきたハイスキルなシステムアーキテクトが監修・レビューを行いました。

AIの実装力と、人間の設計眼。その協働が、freeBox 1.0.0です。


freeBoxで実現できること

  • 監視カメラの映像をローカルで処理し、クラウドに依存せず通知・録画(atomcam2モジュールで実装済み)
  • 自作IoTデバイスをプラグインとして接続し、既存システムと柔軟に連携
  • 複数デバイスをまたいだ自動化ルールを、オープンな基盤の上で自由に設計
  • プラグインを公開・共有することで、コミュニティの共有資産として積み上げる

これはまだ1.0.0です。でも、基盤はできました。


コラボ募集について

現在、情報発信コラボを募集しています。freeBox・スマートホーム・OSS開発に関心のある方、一緒に発信していきませんか。

来週(5/13)は、プラグイン開発者・サードパーティ向けコラボ募集の詳細を公開予定です。「このデバイスに対応させたい」「プラグインを作ってビジネスに繋げたい」という方も、ぜひ次回の投稿をお待ちください。


さいごに

これまで、スマートホーム市場は各社の囲い込みによって分断されてきました。ローカル環境で動く、真にオープンな基盤は存在しなかった。

freeBoxは、それを初めて実現しようとしています。

コードを書ける開発者も、プラグインでビジネスを広げたいサードパーティも、発信で貢献したい方も——関わり方は一つじゃない。この基盤を、一緒に育てていきませんか。

👉 https://github.com/hoscm/freebox


関連記事:

AIはどこへ向かうのか(4/29)
freeBox Loader 開発の舞台裏(4/22)
freeBox Loader 開発進行状況(4/8)

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お知らせ

freeBox Loader 開発の舞台裏:ここまでの経緯と、AIと人が一緒に開発して見えてきたもの

これまで、freeBox Loader については 4月8日の進捗報告4月15日の活用イメージ紹介と、計画的な発信を続けてきました。

当初は、このタイミング(4月22日)で「サードパーティ向けコラボ・プラグイン参加募集」のご案内を予定していました。しかし、freeBox Loader v1 のリリースがもう少し時間を要する状況となり、その準備が整ってからご案内することとしました。

その代わりに今回は、「なぜ時間がかかっているのか」という舞台裏の話を、正直にお伝えしたいと思います。

ただ「遅れました」と報告するのではなく、その過程で見えてきた学びを共有することが、このOSSプロジェクトの価値につながると考えているからです。

特に今回は、AIと人が一緒に開発を進める中で見えてきた、これまでにない種類の気づきがありました。これは同じようにAIを活用して何かを作ろうとしている方々にとっても、参考になる内容ではないかと思います。


1. まず、率直な現状のご報告

リリース目標は「目標」であり、最優先は品質

freeBox Loader v1 のリリース見通しは、5月上旬〜中旬を射程に置いています。当初の想定からは後ろ倒しとなりましたが、ここで一つお伝えしておきたいことがあります。

このOSSプロジェクトでは、品質を最も大切にしています

リリース時期は大切な目標ではありますが、品質を犠牲にして急ぐものではありません。むしろ、「なぜ想定通りに進まなかったのか」を丁寧に振り返り、次の開発に活かせるのであれば、時間をかけることは健全なプロセスだと考えています。

今回の記事は、その振り返りの一部を皆さんに共有するものです。


2. 何が起きていたのか — 「暗黙の境界線」という落とし穴

テストの最終段階で見つかった作業漏れ

freeBox Loader v1 は、大小合わせて複数段階のテストを積み上げる計画で進めてきました。内部状態の確認から、APIの動作確認、UIの操作確認、そして本番環境での統合テストへと、徐々に粒度を上げていく構成です。

このうち最終段階である本番統合テストに入ったところで、ある事実に気づきました。

「この次に控えているシステムテストに進むためには、サンプルモジュール(atomcam2)も準備できていないといけない。でも、atomcam2 のパッケージはまだ完成していない」

具体的には、サンプルモジュールを組み立てるのに必要なファイルの一部が未作成で、公開用のパッケージがビルドできない状態だったのです。

なぜこれが見過ごされていたのか

振り返ると、原因ははっきりしています。

テスト計画と成果物計画の間に、「暗黙の境界線」があったのです。

  • 本体のテストは最初から「freeBox Loader 本体のテスト」として設計されていました
  • システムテストは「Loader + サンプルモジュール」で実施する前提でした
  • ところが、その間にあるべき 「サンプルモジュール側のテスト」というフェーズが、スケジュールに明記されていなかったのです
AIも人と同じ扱いで考える、という発想を象徴するイメージ図
AIも人と同じ扱いで考える、という発想を象徴するイメージ図

「Loader 本体の実装は進んでいる → テストも進んでいる → だからシステムテストも大丈夫」という感覚のまま、サンプル側の準備が手薄になっていました。

含める範囲だけを書いて、除外される範囲を書いていなかった — これが落とし穴でした。「何を作るか」のリストは丁寧に作っていたのに、「このリストに含まれていないものは、誰がいつ作るのか」が決まっていなかったわけです。

これは開発プロジェクトでは 「あるある」の失敗パターンです。でも、あるあるだからこそ、次に活かせる学びがたくさんあります。

気づけたのは、なぜか

救いだったのは、システムテストを逆算して準備を始めたタイミングで気づけたことです。

本番統合テストに入り、「次はシステムテスト。ではサンプルモジュールのパッケージはどこだ?」と問いを立てた瞬間に、空白が見えました。

もしこの問いを立てる機会がなければ、もっと後の段階で「動くはずなのに動かない」という形で発覚していたかもしれません。早めに気づけたこと自体は、プロセスが機能した結果でもあります。


3. AIと人が一緒に開発して見えてきたもの

ここからは、この開発を通じて気づいた、AIと人が一緒に開発を進める際の独特の視点をお話しします。

freeBox Loader の開発では、AIを開発のパートナーとして活用しています。仕様書の照合、コードの修正、テストの実施、そして引き継ぎメモの作成まで、人間とAIが分担しながら進めています。

そこで浮かび上がってきたのが、「AIも人と同じ扱いで考える」という発想の大切さです。

AIにも「勤務時間」がある

人に勤務時間があるように、AIにも使用量の上限があります。わかりやすく言えば、AIにも「残業制限」があるのです。

この制限に達すると、AIの作業セッションは終了します。人間であれば「続きは明日」と言えますが、AIは「明日のAI」は今日のAIの記憶を持っていません。毎回、ゼロから始まります。

このため、セッションの終わりに「次の担当者(次のAI、あるいは次の人)が困らないように引き継ぎメモを残す」という運用を取り入れてきました。人間同士の引き継ぎと同じ考え方です。

しかし、そこに新しい落とし穴があった

運用ルールは「使用量が一定水準に達した時点で引き継ぎメモを書き始める」というものでした。一見、理にかなっています。

ところが、今回の開発の振り返りの中で、特定のセッションの引き継ぎメモが残っていない事象が見つかりました。

原因として考えられるのは、引き継ぎメモを書く前に、何らかの理由でセッションが終了してしまったケースです。そうなると、引き継ぎメモを書く間もなくセッションが終わり、そのセッションで何をしたかの記録が、次のセッションに伝わらないことになります。

幸い、実際のコードは仕様通りに実装されていることを別途確認できたため、実害はありませんでした。けれども、「作業プロセスの記録」と「作業結果の記録」を同じファイルにまとめていた運用が、記録消失のリスクを構造的に高めていたことが明らかになりました。

そこから得た学び

人間同士の開発で、長年当たり前だった「セッション終わり(引継ぎ時)にまとめて議事録(引継ぎ資料)を書く」という習慣は、AIと一緒に働く場合には、むしろリスクになることがある。

これは、とても興味深い気づきでした。

AIとの協働では、「記録を1箇所にまとめるよりも、細かく分けて、そのつど残しておく」方が、セッション制限という構造に合っているのです。

この発想の転換は、freeBox Loader に限らず、AIを開発パートナーとして活用するあらゆるプロジェクトに応用できる考え方だと思います。
※プロダクトマネージャーコメント:振り返るとこの運用は人間にも言えます。 私は、作業をDB上で行い常に記録する手順を25年まえから運用しています。これにより引継ぎの作業が殆どいりません。


4. 次に活かす改善

以上の振り返りから、以下の改善を進めています。

① 成果物の定義を、プロセスまで含めて明確化する

「作ったファイルがあればOK」ではなく、「そのファイルを生成する仕組みまで含めてゴール」と定義します。

たとえばサンプルモジュールの場合、ソースコードだけでなく、それをパッケージ化して公開する仕組みまでが揃って初めて「完成」と見なす、というふうに基準を引き上げます。

② タスクを「機能名」ではなく「ファイル名」で管理する

「機能Aは実装完了」ではなく、「ファイルXは生成完了」で追跡します。

機能の名前だけを見ていると「進んでいるように見える」けれど、実際には必要なファイルが揃っていない、という状態を構造的に防ぎます。

③ フェーズ間の「除外範囲」も明記する

「このテストに含まれるもの」だけでなく、「このテストに含まれないもの」も明記する運用に変えます。

「本体テストには含めない、サンプルモジュールは別フェーズで対応する」のような、除外を最初に書く。これだけで、暗黙の境界線が可視化されます。

④ 引き継ぎの「ゼロ知識検証」

引き継ぎメモを作った後に、「これを初めて見る人が、これだけで作業を再開できるか」を検証するステップを入れます。

「書いた本人にはわかる」資料と、「誰にでもわかる」資料は別物です。後者を目指します。

⑤ 記録の連続性を確保する(AIと人が一緒に働く開発に特化した改善)

  • 引き継ぎメモは早めのタイミングで中間版を書く(ギリギリまで待たない)
  • テスト結果の記録は、引き継ぎメモとは別のファイルで管理する
  • 項目が1つ終わるたびに、即時に記録する(まとめて書かない)

この改善は、AIの動作特性(セッションが突然終わることがある)を前提にした運用設計です。


5. これからのこと

リリース見通し

freeBox Loader v1 のリリースは、5月上旬〜中旬を射程に置いています。サンプルモジュールの準備とシステムテストを経て、品質が確認できたタイミングで公開します。

hsBox との関係

freeBox Loader は、hsBox の次期バージョン(1.4 以降)での運用を想定して開発しています。hsBox 1.4 では、freeBox Loader を標準同梱する方向で検討中です(最終的な構成は、freeBox Loader のリリース時点で改めてご案内します)。

サードパーティ向けコラボ・プラグイン参加募集

当初このタイミングでご案内する予定だった「コラボ・プラグイン参加募集」は、freeBox Loader v1 の正式リリース後に、改めて詳しくご案内します。

モジュールの作り方、公開の手順、コラボの仕組みなど、参加していただくための情報を整えた上でお届けする予定です。


おわりに

今回は、freeBox Loader 開発の現状について、「遅れました」で終わらせずに、その背景と学びまで共有するスタイルでご報告しました。

開発プロジェクトにおいて、計画通りに進まない場面は必ず訪れます。大切なのは、なぜそうなったのかを振り返り、次に活かすことです。

そしてこれからの時代、AIと人が一緒に開発を進める場面がますます増えていきます。AIも人と同じ扱いで — 引き継ぎの大切さ、記録の取り方、勤務時間の配慮 — こうした視点が、新しい開発プロセスの基盤になっていくのではないかと感じています。

freeBox Loader の次のご報告は、リリース準備が整ったタイミング、または コラボ・プラグイン参加募集のご案内になる予定です。引き続き、ご期待ください。


freeBox Loader / hsBox に関するお問い合わせ・ご意見は お問い合わせページ からお寄せください。

過去の関連記事:freeBox Loader で、スマートホーム連携はここが変わる(4/15)freeBox Loader 開発進行状況|現在どこまで来ているか(4/8)

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